アルミニウム(Al)合金や銅(Cu)合金、鉄鋼製品などで品質データの偽装が相次いでいる神戸製鋼所で、今度はグループの従業員が検査データを隠ぺいしていたことが明らかになった。

 同社は2017年10月20日に会見し、Al合金製品やCu合金製品を生産する長府製造所(山口県下関市)において、工場の管理職を含む複数のグループ従業員が、不適合品の品質検査データを隠ぺいしていたと発表した(図1)。同社の管理体制とコンプライアンスの問題が、改めて浮き彫りになった。

副社長の梅原尚人氏(中)と常務執行役員の山本浩司氏(左)、常務執行役員の勝川四志彦氏
図1 会見に出席した副社長の梅原尚人氏(中)と常務執行役員の山本浩司氏(左)、常務執行役員の勝川四志彦氏
[画像のクリックで拡大表示]

 対象となる製品は、2016年9月から17年8月に同製造所で造ったAl合金の押出材である。顧客から指定された基準から寸法が外れていたことを知りながら、その不適合品の検査データを2017年4月からの社内監査や同年9月からの自主点検の際に、担当者が報告せずに発覚を逃れていた。社内の相談窓口への情報提供によって、10月19日に判明した。「不適合品の出荷数量や出荷先数などの詳細は確認中」(同社)とする。