ショーワ社長の杉山伸幸氏
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塩谷プルービンググラウンドのワインディングコース
塩谷プルービンググラウンドのワインディングコース
ショーワ社長の杉山伸幸氏
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 ホンダ系自動車部品メーカーで、電動パワーステアリング(EPS)やダンパーなどを手掛けるショーワ。連結売上高が2600億円程度の中堅だが、ドイツBosch社や同ZF社などショーワの10倍以上の規模のメガサプライヤーがひしめくEPS市場で開発競争を繰り広げる。生き残る策をどう考えるのか。ショーワ社長の杉山伸幸氏に聞いた。

――EPS市場でどう戦っていくのか。ショーワの規模では厳しいように思える。

杉山社長 メガサプライヤーにも弱点がある。少量生産が苦手なことだ。開発人員が多く、開発投資が大きい。(仕様変更の範囲を絞った)標準品を大量に造らねば儲からない。少量生産車に合わせて開発することは無理だ。

 当社の強みは、少量生産に対応できること。せいぜい150万~200万個の規模感のメーカーだ。車種の違いに合わせて丁寧に開発しても儲けられる事業構造になっている。実際、小型スポーツ車のトヨタ自動車「86(ハチロク)」やマツダ「ロードスター」のように、販売量は少なくともこだわりのある車両に採用された。メガサプライヤーと同じ戦い方はしない。“味付け”や開発サービスなどで、違いを出していく。

 それに、少量生産で採算が合う事業構造のほうがいい。この体制から規模を拡大することはできるが、逆は難しい。大量生産を前提とした事業構造にすると、市場が縮むと会社がつぶれる。メガサプライヤーは、市場が半分になると厳しいだろう。大事なことは、ショーワという会社を未来永劫に残していくことだ。

 私はね、メガサプライヤーらのM&Aを駆使した規模拡大競争を見ていると、今後はEPSなどで安売り競争が始まるとにらんでいる。そんな競争は脇で眺めていたい。数を追うとダメになる。