――展示したIoTプラットフォームについて教えてください。
当社は、製造設備などの稼働状態をセンサーで監視し、機械学習に基づいた予知保全を実現するIoTプラットフォームサービスを企業に提供しています。今回、IoTに基づく予知保全を簡単に導入できる入り口として「機械学習を用いた状態監視リファレンスシステム」を展示しました。このシステムは、多様な種類のセンサーとセンサー収集デバイス、解析ソフトウエアから成り、工作機械の異常検知や製品の不良品判定などに利用できます。
利用できるセンサーは多岐にわたり、電流・電圧の他に加速度や音声、光、温度、流量などのデータを収集できます。例えば、ファンの回転音をマイクで計測し、正常時と異常時の音の波形の違いを学習して、故障する前に部品を交換するような利用が期待できます(デモ動画はこちら)。異なるセンサーデータを組み合わせて解析することも可能です。
解析システムは、米National Instruments(NI)社の計測・制御システム開発用ソフトウエア「LabVIEW」上で利用します。機械学習は、品質工学の理論と多変量解析を組み合わせた「マハラノビス・タグチ(MT)法」に基づく技術を用います。MT法は高速なアルゴリズムなので、収集したデータから高速に診断モデルを学習できます。データ収集デバイスと解析用ソフトウエアを合わせて、最低75万円と、提供価格も安価です。CEATECを皮切りにして提供を進めていきます。小さなプロジェクトから試してみることで、IoTを活用した予知保全の感覚をつかんでもらいたいと思います。