「この3年間は将来への種まきだ。V字回復に向けた軌道に乗せることが大切と考えた」——。三菱自動車は2017年10月18日、2019年度までの3カ年の新しい中期経営計画を発表した。同社代表取締役CEO(最高経営責任者)の益子修氏が都内で会見し、持続的な成長に向けた基盤作りに注力する方針を示した(図1)。

図1 三菱自動車CEOの益子修氏
図1 三菱自動車CEOの益子修氏
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 1991年から約25年間にわたって燃費不正を繰り返してきた三菱自動車。2016年4月にその事実が明らかになり、会社存続の危機に陥った。自身での再建がかなわず、日産自動車の傘下に入らざるを得なくなった。2016年度の営業利益率は0.3%と、何とか黒字を確保したものの、信頼は地に落ちている(特集記事:三菱・スズキの不正を繰り返すな)。

 経営再建の舵をとる益子氏は、「単に(業績が)回復すればよいわけではない。しっかりとした土台の上で成長しないといけない」と訴える。今回発表した2017年度から2019年度の中期経営計画「DRIVE FOR GROWTH」では、「燃費不正問題で傷ついた信頼の早期回復を最優先課題として取り組む」(益子氏)という。