セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズが日本予選の勝者に
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セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズが日本予選の勝者に
中央がセブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ 代表取締役社長の阪根信一氏。

 「2005年に洗濯物をたたむ作業が大きな手間であることに気づいた。研究者によれば、一生の間に375日以上が、洗濯物をたたんで仕分けてクローゼットにしまう作業に費やされている」。セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ 代表取締役社長の阪根信一氏は、流暢な英語でこう語り始めた。同社が手掛ける洗濯物折り畳み機「ランドロイド」の開発のきっかけになった一件である(関連記事)。

 3分半の持ち時間の間に、同氏は12年かけてようやく製品化にこぎつけたことや、今後は洗濯乾燥機との統合や各部屋のクローゼットへの衣類の仕分けを実現したいこと、既に始まった限定予約は500件以上、売り上げ1000万米ドル相当に達し、2018年末に発売して初年度2500万米ドル、2年目には1億米ドルの売上高を目指すことを語った。2030年の売り上げ目標は20億米ドルといい、同年に「世界一イノベーティブな会社になる」と宣言してプレゼンテーションを終えた。

 同氏がトップバッターを切ったベンチャー企業のピッチコンテスト「Startup World Cup」の日本予選は、70社以上から選ばれた全10社のプレゼンテーションを経て、最後はセブンドリーマーズの勝利で幕を下ろした。審査員から同社を選んだ理由は語られなかったが、参加企業の多くが人工知能(AI)やフィンテックといったトレンドの枠内に収まっていた中で、同社の技術が異彩を放ったことは確かである。当初は2017年度内の予定だった発売を2018年度に延期するなど、ランドロイドは生みの苦しみを味わっている。今回の勝利を市場開拓の弾みにしたいところだ。