「ScaleIOはスケーラビリティー、多様性に優れたSDS(Software Defined Storage)。データセンターなどの大規模環境に適しており、そのようなユーザーを中心に導入されている」(EMCジャパン ソフトウェアデファインドストレージ事業の林孝浩氏)――。EMCジャパンは2017年9月22日、SDSに関する記者説明会を開催し、日本におけるSDS市場の動向と共に、EMCジャパンのSDS製品である「ScaleIO」が狙うマーケットなどを解説した。

EMCジャパン ソフトウェアデファインドストレージ事業の林孝浩氏
EMCジャパン ソフトウェアデファインドストレージ事業の林孝浩氏
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 SDSとは複数のサーバーがそれぞれ搭載するDAS(Direct-Attached Storage)を仮想化して、個々のアプリケーションからはSAN(Storage Area Network)の外付けブロックストレージとして利用できるようにしたもの。ScaleIOは市販のx86サーバーで稼働するソフトウエア、ScaleIOをプリインストールしたコンバージドシステム「VxRack」、米Dell Technologies社のPowerEdgeサーバーで動作検証した「ScaleIO Ready Nodes」といった形態で提供されている。

 EMCジャパンにはScaleIO以外にも、複数のSDS製品がある。PowerEdgeサーバーに米VMware社の「vSAN」または米Microsoft社の「S2D」といったSDSソフトをインストールして動作検証したReady Nodes、vSANをプリインストールしたコンバージドシステム「VxRail」、米Nutanix社のHCI(Hyper Converged Infrastructure)ソフトをプリインストールしたアプライアンス「XCシリーズ」などである。スケールアウトNASのIsilonをVMwareの仮想アプライアンスとした「IsilonSD Edge」、ユニファイドストレージアプライアンス「Unity」を同じくVMwareの仮想アプライアンスとした「UnityVSA」もある。

 このうち、vSANはVMware ESXi、S2DはHyper-Vという特定のハイパーバイザーと垂直統合されている。これに対してScaleIOは「ハイパーバイザーに依存しておらず、自由に拡張できるメリットがある」(EMCジャパン ソフトウェアデファインドストレージ事業の中村雅史氏)という。