米Cisco Systems社の日本法人であるシスコシステムズは2017年9月21日、Cisco Systems社のIoT(Internet of Things)戦略に関する記者説明会を開催した。説明会には、Cisco Systems社Vice president and General Manager IoT Cloud BusinessのJahangir Mohammed氏が登壇し、IoT向けのネットワークファブリック「Cisco Intent-Based Network & Cisco Jasper」とデータファブリック「Cisco Kinetic」が、IoTが抱える課題をどのように解決するかを解説した。

Cisco Systems社Vice president and General Manager IoT Cloud BusinessのJahangir Mohammed氏
Cisco Systems社Vice president and General Manager IoT Cloud BusinessのJahangir Mohammed氏
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 Mohammed氏は現在のIoTが直面する課題として、「デバイスの多様化によって、セキュリティー対策や運用管理が複雑化した」ことを挙げる。結果として、センサーが取得したデータの多くは「適切なタイミングで適切なアプリケーションに移動させることができなくなっている」という。

 Cisco Intent-Based Networkは、Cisco Systems社が2017年6月に発表したネットワーク構築・運用の自動化コンセプト「The Network. Intuitive.(直感的なネットワーク)」によって実装されたネットワークのこと(関連リリース)。クラウドで稼働する人工知能(AI)がマルウエアや障害の発生を検知・解析して問題の発生を未然に防ぎ、ネットワーク管理者の負担を軽減する。

 Cisco JasperはクラウドベースのIoTデバイス管理サービス。もともとMohammed氏が2004年に創業した米Jasper Wireless社(2014年にJasper technologies社に改名)のサービスだが、2016年2月にCisco Systems社がJasper社を買収。現在はCisco Jasperとして提供されている。Mohamme氏はCisco Systems社による買収の直前まで、Jasper社のCEO(最高経営責任者)を務めていた。

 この両者を組み合わせることで、ユーザーはネットワークに接続された膨大かつ多様なデバイスを容易に管理できるようになる。具体的には「すべてのIoTデバイスをリアルタイムで可視化し、個別に接続を制御する」「セグメンテーションや優先制御により、IoTデバイスのネットワークトラフィックを分離する」「Ethernet、Wi-Fi、セルラー、LoRaWAN、RFメッシュなど多様なアクセス手段をサポ―トする」などの機能を実現するという。

Cisco Jasperの画面
Cisco Jasperの画面
LTEで接続するデバイスに搭載されたSIMカードの一覧表示
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