プライベートイベント「SNUG Japan 2017」(9月8日に東京で開催)の基調講演などのために来日した、米Synopsys社のChi-Foon Chan氏(President & co-CEO)に話を聞いた。EDA(Electronic Design Automation)業界で売上高首位の同社が次に狙う市場などについて語った。

Chi-Foon Chan氏。日経テクノロジーオンラインが撮影。
Chi-Foon Chan氏。日経テクノロジーオンラインが撮影。
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 Synopsysの2016会計年度(2015年11月~2016年10月)の売上高は24億2300万米ドルで(ニュースリリース)、業界2位の米Cadence Design Systems社の2016会計年度(2016年1月~12月)の18億1600万米ドルを引き離している(ニュースリリース)。Chan氏によれば、Synopsysの事業は3つに大別できる。EDA(ハードウエア設計用ツール)、設計済み回路のIPコア、そしてソフトウエア向けのツールである。同社は3事業別の売上高を発表していないが、同氏によれば、6~7割がEDA、2~3割がIPコア、残りの1割弱がソフトウエア向けのツールだという。

Synopsys社の現在の姿。同社のスライド。
Synopsys社の現在の姿。同社のスライド。
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 同社がEDA業界で首位を保ってこられたのは、半導体(主にIC)設計に注力してきからだ。他のEDAベンダーがプリント基板用EDAなども扱っているのに対して、Synopsysは伸び率・規模が大きな半導体設計用EDAに焦点を合わせた。さらに早い時期から、IC向けの設計済み回路であるIPコアの事業にも力を入れてきた。IPコア業界では、英Arm社に続いてSynopsysは売上高で2位である。すなわち、売上高の約9割近くが半導体に依存していることになる。