ホンダが目を付けたのは昨今の“車中泊ブーム”。同社が長年販売してきたガソリン発電機は駆動時に発生する音が課題となる。近年では周囲の目もあり、キャンプ場など特定の場所以外の夜間使用が難しくなってきた。ホンダは駆動時の音を小さくできるリチウムイオン蓄電機を開発することで需要に応える狙いだ。
同社執行役員で日本本部長の寺谷公良氏は「アウトドアをはじめ、クルマで出かける様々な場所に一緒に持ち運べる。生活の可能性を広げる喜びを提供する」と意気込む。
ガソリン発電機で国内外から支持を得るホンダ。新型のリチウムイオン蓄電機は、1965年に発売したホンダ初の発電機「E300」を踏襲した外観とし、大型の取手を備えることで持ち運びしやすくした。製品寸法は全長266×全幅182×全高248mm、質量は5.3kg。白、赤、黒の3色を用意した。
搭載するリチウムイオン電池の容量は377Wh。2輪や4輪車の電動車両向けではなく、同製品のために電池を新規調達したという(関連記事:「キャンプのお供に蓄電機」、ホンダが提案)。充電には100Vの家庭用コンセントや車両のアクセサリーソケットを用いる。走行中に車両の電気を使って充電できるのが特徴だ。満充電までの時間は約6時間。出力用にUSB端子を2個、交流コンセントを2個搭載した(図2)。