「『プリウス』のハイブリッド(HEV)システムのコストは、発売後20年間で1/4になった」——。トヨタ自動車会長で初代プリウスの開発責任者を務めた内山田竹志氏は2017年8月4日、「Automobile Council 2017」(幕張メッセ、2017年8月4〜6日)の同社ブースでこう明かした(図1)(関連記事:「オートモビル カウンシル2017」開催)。

図1 トヨタ自動車会長の内山田竹志氏、初代「プリウス」の開発責任者を務めた
図1 トヨタ自動車会長の内山田竹志氏、初代「プリウス」の開発責任者を務めた
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 1993年に開発が始まり1997年に発売したプリウス(図2)。2015年に発売した燃費40.8km/Lを達成した現行モデルで4代目を数える(図3)。トヨタはプリウスに加えて他車種へも基幹技術を転用し、2017年1月末時点でHEVの世界累計販売台数は1000万台に達した(関連記事:トヨタ、HEVの世界累計販売が1000万台を突破)。

 同社はプリウスを全面刷新するたびに2次電池やモーター、パワー・コントロール・ユニット(PCU)などで構成するHEVシステムを大きく改良しているという(図4〜7)。内山田氏は「プリウスの開発担当者には難しいタスクを課している」と語る。動力や燃費性能はもちろん、コストに対する目標値を明確に定める。狙った性能の技術を、狙った価格で搭載することを可能にした。

図2 初代プリウス
図2 初代プリウス
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図3 現行の4代目プリウス
図3 現行の4代目プリウス
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