宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月12日、小惑星リュウグウの土壌サンプルを持ち帰る小惑星探査機「はやぶさ2」の現状を説明する記者会見を開催。プロジェクト・マネージャーの津田雄一・JAXA宇宙科学研究所准教授とミッション・マネージャーの吉川真准教授が現状と今後を説明した。
2014年12月に打ち上げられた同探査機は2018年8月に目的地の小惑星リュウグウへ到着する予定で順調に飛行中。すでにリュウグウまでの旅程のおよそ半分を消化した。その間に4項目の技術試験も実施。現在は到着後の探査に向けた、探査チームの訓練を実施中である。津田プロジェクト・マネージャーは、「これまでの2年半の順調さは素直に喜んでいる。ただし、それが今後の順調を保証しないのも分かっている。さらに気を引き締めてプロジェクトを進めたい」と抱負を語った。
はやぶさ2は2018年早々からは到着までの最後の山場となる、過去最長のイオンエンジン噴射を実施する予定。2018年5月には光学カメラでリュウグウを捉える距離に達し、6~7月ごろにリュウグウの近傍に到着する予定だ。
L5点を観測し木星・火星などでカメラ調整
2017年7月10日時点で、はやぶさ2は地球から約1億7650万kmのところを対地球速度毎秒33.4kmの速度で航行している。