東芝と技術研究組合国際廃炉研究開発機構(IRID)は6月15日、福島第一原子力発電所 3号機の原子力格納容器内部を調査するための遠隔操作ロボット「ミニマンボウ」を報道陣に公開した。原子炉圧力容器下部の「ペデスタル」と呼ばれる場所を調査し、メルトダウン事故により、その場所に落ちて溜まっているとされる、核燃料デブリの状況を映像で確認する目的で開発された。

東芝が開発した福島第一原発3号機の水中調査ロボット「ミニマンボウ」(撮影:加藤康)
東芝が開発した福島第一原発3号機の水中調査ロボット「ミニマンボウ」(撮影:加藤康)
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 今回の調査対象である福島原発3号機の格納容器下部には、水位約6メートルの冷却水が溜まっており、調査対象であるペデスタルも水没している。そこで東芝はカメラを備え、水中探査が可能な小型ロボットを約1年かけて開発、このほど完成品を披露した。東芝によると、7月中には今回のロボットを使った調査が実施される見込みという。

訓練用プールを泳ぐ「ミニマンボウ」(撮影:加藤康)
訓練用プールを泳ぐ「ミニマンボウ」(撮影:加藤康)
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 完成した調査ロボット「ミニマンボウ」は直径13センチ、長さ30センチの小型潜水ロボット。前部に上下に角度を変えられる観測用カメラとLED照明、後部にもケーブルの状態を確認するためのカメラと照明を備える。4基の推進用スクリューと上昇・下降用のスクリュー1基などを備え、格納容器内を「泳いで」目標に到達する。カメラの画素数は「100万画素クラス」という。開発では「放射線耐性など必要なスペックを満たしつつ、限られたサイズに収めるのが難しかった」(東芝原子力事業統括部の露木陽機械システム設計第三担当グループ長)と話す。