ジャパンディスプレイ(JDI)は、フレームがほとんどない超狭額縁の「Full Active」と呼ぶ液晶パネルの6型品(画面の縦横比は18対9)を、公の場では初めて中国・南京で展示した。スマートフォン前面のほぼすべてを画像表示に使えるようにする液晶パネルである。6月8日に開催された国際会議「2017海峡両岸(南京)新型ディスプレー産業高峰論壇(2017 Cross strait (Nanjing) New Display Industry Summit Forum, CSNDIS 2017 China)」(関連記事1)で披露した(図1)。既に中国のセットメーカーに向けてプロモーション活動を進めており、今後の目玉商品としていく考えだ。

 
図1 展示会場でのデモ風景
図1 展示会場でのデモ風景
会場の後方に設けられた展示コーナーの最前列に位置取り、今後の目玉商品となる3台のスマホ用ディスプレーを展示した。右側が今回初公開となる6型の「Full Active」液晶ディスプレー。左側の2台はフレキシブル有機ELディスプレー。
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 Full Active液晶についてJDIは、2016年8月の発表(ニュースリリース)、および2017年5月に深センで開催した報道関係者向けの技術説明会(関連記事2)で、5.5型パネルを発表していた。また、同じく5月に米国ロサンゼルスで開催された学会「Society for Information Display(SID)」の展示会でも、5.5型のFull Active液晶を展示した。今回の南京での国際会議では、より大画面となる6型の製品を初めて公開した(図2)。

図2 6型のFull Active液晶パネルの展示
図2 6型のFull Active液晶パネルの展示
これまでの5.5型、縦横比16対9のディスプレー画面に対して、横幅はそのままで縦方向を拡大した。縦横比は18対9で、画面の対角寸法は5.99型(約6.0型)になる。これまでの5.5型パネルを搭載していたスマホの前面すべてをほぼ覆うディスプレーとなる。ディスプレーフォーマットは「FHD+」となる。
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 同社は合わせてフレキシブル有機ELディスプレーを展示し、今後の市場要求に対応していくことをアピールした(図3)。このフレキシブル有機ELディスプレーは、5月に深センで開催した技術説明会でデモを行い、同じく5月開催のSIDの展示会でも展示していた。

図3 フレキシブル有機ELディスプレーの展示
図3 フレキシブル有機ELディスプレーの展示
5.5型フルHDで、画素配列はリアルRGB、精細度は401ppiである。最高輝度は700cd/m2、コントラスト比は10万対1以上、色域はDIC値で110%である。
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