図1 説明会に登壇するソニーの平井氏
図1 説明会に登壇するソニーの平井氏
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 ソニーは2017年5月23日、経営方針説明会を開催し、2017年度を最終年度とする中期経営計画(2015〜2017年度)の進捗状況や2018年度以降の事業戦略について、同社 社長 兼 CEOの平井一夫氏が語った(図1)。「2017年度にROE10%以上、営業利益5000億円以上」という中期経営計画の目標を改めて掲げつつ、この目標の達成を狙えるだけの事業基盤を築けたと胸を張った。具体的には、2017年度の通期の業績見通しとして、売上高8兆円、営業利益5000億円を掲げる。営業利益5000億円という数字は、1997年度以来、20年ぶりの高い水準である。1997年度の営業利益は5257億円だった。

 中期経営計画の進捗として、コンスーマーエレクトロニクス事業の再生を強調した。「規模を追わずに、違いを追った」(平井氏)ことが、再生に寄与したとの見方を示した。例えば、2004年度から2013年度まで赤字が続き、10年間で8000億円ほどの赤字を累積したテレビ事業に関しては、「事業規模が半分でも、利益が生まれる構造にした」(同氏)ことで、2014年度に黒字化を果たした(図2)。2016年度は営業利益率5%にまで改善させたという。

図2 テレビ事業の営業損益の推移
図2 テレビ事業の営業損益の推移
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