銃の模型で射出した弾丸をキャッチするデモ
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 1000フレーム/秒(fps)で撮像できる超高速ビジョン技術を、さまざまな産業分野に応用することを目指して活動する組織「WINDSネットワーク」。ソニーや日産自動車、高速ビジョンの研究を進める東京大学 石川・渡辺研究室、同研究室の成果で事業化を進めるベンチャーのエクスビジョンなどが中心となって、2016年2月に設立された。2017年3月21日には、発足1周年を記念して、都内でセミナーを開催。同セミナーでは、WINDSネットワークの現状の他、ソニーグループと石川・渡辺研究室が開発した高速ビジョンチップ、同チップを利用したエクスビジョンの製品などが発表された。

セミナー会場の様子
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120超の組織が参画

 セミナー冒頭に登壇したのは、WINDSネットワーク 会長の鈴木智行氏である。同氏はソニーの執行役副社長で、長らく同社のイメージセンサー事業を主導してきた人物である。同氏によれば、WINDSネットワークには現在、120を超える組織や団体、企業などがメンバーとして参加しているという。自動車やロボット、産業機器、医療など、幅広い分野からのメンバーがいるとする。講演で強調したのは、単なるデバイス供給ではなく、高速ビジョン技術を活用したシステムの提案を重視する姿勢である。高速ビジョンチップをソニーグループが製造し、同チップを利用した開発基盤をエクスビジョンが提供する。同基盤をさまざまなユーザーが利用し、応用を検討することで、高速ビジョンのシステム開発を促したい考えである。

 次に登壇したのは、WINDSネットワーク 副会長で東京大学大学院 情報理工学系研究科 教授の石川正俊氏である。同氏は、「米国や欧州に1000フレーム/秒のような高速ビジョンの応用に取り組む企業や団体などはほとんどなく、せいぜい100フレーム/秒や240フレーム/秒を対象にしている。そのため、日本が先行できる分野だ」と、高速ビジョン技術の応用に取り組む意義を強調した。

登壇するWINDSネットワーク 会長の鈴木智行氏
登壇するWINDSネットワーク 会長の鈴木智行氏
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WINDSネットワーク 副会長の石川正俊氏
WINDSネットワーク 副会長の石川正俊氏
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