2017年3月14~16日に中国・上海でディスプレー関連の展示会「FPD China 2017」が開催された(図1)。会場は上海新国際博覧中心(Shanghai New International Expo Centre)。筆者は今回、2年ぶりにFPD Chinaに参加した。その印象について報告する(2年前の報告記事)。

FPD China 2017の会場の様子(筆者が撮影)
FPD China 2017の会場の様子(筆者が撮影)
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 今回のFPD Chinaは、残念ながらパネルメーカーからの展示は無かった。しかし、FPD製造装置や関連部材の展示が非常に多く、大盛況だった。特に目を引いたのは、韓国と台湾の製造装置メーカーや部材メーカーである。これまで日本メーカーが優位だった分野にも積極的に攻勢をかけているのを実感した。

 例えば、韓国AP Systems社である。同社は、高精細液晶パネルや有機ELパネルの駆動に必要な低温多結晶Si(LTPS)TFTの製造に不可欠な、エキシマ・レーザー・アニール(ELA)装置で実績を持つ。今回のFPD Chinaでは、さらに、フレキシブル有機ELディスプレー向けの製造装置などを展示していた(図2)。

韓国AP Systems社の展示ブース(筆者が撮影)
韓国AP Systems社の展示ブース(筆者が撮影)
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 具体的には、フレキシブル有機ELディスプレーの製造で欠かせないレーザー・リフト・オフ(LLO:Laser Lift Off)装置、ガラス基板を用いるリジッド有機ELディスプレー向けの封止装置、薄膜積層構造を形成するフレキシブル有機ELディスプレー向けの封止装置、有機EL材料の塗り分けに必須のファイン・メタル・マスク(FMM:Fine Metal Mask)製造装置などを紹介していた。フレキシブル有機ELディスプレーの製品化で先行する韓国ならではのラインアップである。