東京工業大学元素戦略センターは、2018年1月20日に「エレクトライドに関するJST-ACCELシンポジウム―触媒とOLED―」を東工大蔵前会館で開催した。このシンポジウムの講演やポスターセッションから、同センターの成果の1つであるエレクトライド触媒を使ったアンモニア(NH3)の新製法を事業化する目的で2017年4月に設立された東工大発ベンチャー企業のつばめBHB(東京・港)の事業計画が明らかになった。

 それによると、つばめBHBは4、5年後を目処に、アミノ酸などの発酵素材を生産する味の素の海外工場で、同社の技術を使ったアンモニアのオンサイト生産装置を導入する計画を進めているもようだ。

東工大が開発したアンモニアの新製法を使うと、アミノ酸製品などの生産コストを大幅に削減できる
東工大が開発したアンモニアの新製法を使うと、アミノ酸製品などの生産コストを大幅に削減できる
(出所:つばめBHBが展示したポスター)
[画像のクリックで拡大表示]

 新製法はアンモニア合成プラントを小型・低価格化できる利点がある。これを生かして、アンモニアを利用するアミノ酸などの工場内で、アンモニアをオンサイト生産すれば、アンモニアの単価を下げつつ、必要な量だけ安定的に供給できる。さらにこの結果、現在アンモニア調達コストの1/2強を占める輸送・保安・保管コストを大幅に削減でき、アミノ酸などの発酵素材の製造コストを大幅に削減できるとする。