FPGA大手の米Xilinx社は、自動車市場向けの事業戦略について2018年1月16日に記者説明会を開催した。ADAS(先進運転支援システム)向けの採用状況については、「2016年には自動車メーカー23社、85車種に採用されたが、2017年は26社、96車種に拡大した」(同社Sr. Director - Automotive MarketのWillard Tu氏)という。
ADAS向けのうち、フロントカメラモジュール向けに絞ると、2017年の出荷数は470万個であり、市場シェアは38%となった。これはイスラエルMobileye社(米Intel社)に次ぐ第2位とする。また、2017年には中国のティア1で新たに採用されたため、今後はさらにシェアを伸ばせるという。
このように同社のFPGAはセンシング機器の市場に強い。具体的には、カメラやミリ波レーダー、レーザーレーダー(LIDAR)など、さまざまなセンサーからデータを取り込み、統合する「DAPD(Data Aggregation Pre-processing and Distribution Devices)」と呼ぶ回路にFPGAが使われている。DAPDはセンサーの種類や数によって処理内容が変わるため、回路構成を変えられるFPGAが適している。
例えば、30社以上あるLIDARメーカーのうち、「1社を除く全社に採用されている」(同氏)という。LIDARはミラー回転方式、MEMS方式、フラッシュ方式、周波数変調方式など、さまざまな種類があり、それらの違いを吸収できるFPGAが選ばれているようだ。