2015年、日系自動車メーカーがこぞって発売したのが過給“ダウンサイジング”エンジンである。欧州勢がかねて主導する潮流に、日系メーカーが本格的に追随した。電動化に邁進していたトヨタ自動車やホンダが、海外市場で欠かせないと考えて本腰を入れた。年末にはマツダが、際立つ圧縮比を実現した過給エンジンを投入すると発表した。

 過給ダウンサイジングの代表と言えば、ドイツVolkswagen社が「ゴルフ」に搭載する排気量1.2Lと同1.4Lの「TSI」エンジンだろう(関連記事)。エンジン性能を見る上で重要な圧縮比は、それぞれハイオクガソリン燃料だが10.5と10に達する。自然吸気ならば13~14に達するものが最近あるが(関連記事)、過給すると圧縮比を上げにくい。10に達するかどうかが、過給エンジンの実力を測る一つの目安と言えよう。2015年に日系メーカーが発表したエンジンは、軒並み10に達した。