豪華寝台列車「ななつ星in九州」を成功させたJR九州が、2015年8月8日にスイーツコース付き観光列車「JRKYUSHU SWEET TRAIN『或る列車』」の営業運転を開始した(関連記事、図1)。ななつ星は抽選に当選しなければ乗車できないが、或る列車はもう少し気軽に乗れるよう、先着順で切符を買えるようにした。利用状況は好調で、JR九州は2015年11月30日に料金を2割値上げする(大人1人当たり2万円から2万4000円に改定)と発表した。JR九州は元の価格設定が低かったと説明している。

図1 2015年8月8日に運行を開始した「JRKYUSHU SWEET TRAIN『或る列車』」
図1 2015年8月8日に運行を開始した「JRKYUSHU SWEET TRAIN『或る列車』」
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 或る列車は2時間半(大分-日田間の場合)かけて走る間に、スイーツ付フルコースが出る2両編成の観光列車。ななつ星に引き続き、デザイナーの水戸岡鋭治氏が車両などのデザインを担当した。その水戸岡氏も「2万円は安く売りすぎ」と運行開始前から考えていた。

 目的地に早く着くことが主目的だった鉄道に、鉄道自体を楽しむという新たな目的が加わりつつある。2015年も、数多くの観光列車、イベント列車が走り始めた。