トレンチ型が量産へ、6インチ化も進む

図7 ロームのSiCパワーモジュール
図7 ロームのSiCパワーモジュール
[画像のクリックで拡大表示]

 SiCパワー素子では、ロームがトレンチ型MOSFETの量産を始めることを2015年4月に発表した(図7)。トレンチ構造を採用すればオン抵抗を削減できるという特徴がある(関連記事)。

図8 住友電工のSiC MOSFET
図8 住友電工のSiC MOSFET
[画像のクリックで拡大表示]

 新しいメーカーも名乗りを上げた。住友電気工業は2015年6月、SiCパワー素子を事業化することを明らかにした(図8)。産業技術総合研究所が運営する民活型共同研究体「つくばパワーエレクトロニクスコンステレーション(TPEC)」の量産試作ラインなどを活用しながら量産製造技術を確立し、事業を立ち上げる予定。具体的な時期は明らかにしていないが、同社は2020年ごろにSiCパワー素子市場が本格化するとみており、「それに先駆けて事業を立ち上げたい」(同社)としている(関連記事)。

 口径6インチのSiC基板の採用も進む。現在主流は4インチ品だが、いずれ6インチ品に主役の座を渡すだろう。例えば6インチ基板の採用に積極的なのが、富士電機である。同社は6インチ基板製造したSiCパワー素子を用いるモジュール品などを作っている(関連記事)。また、昭和電工は欠陥を大幅に低減した口径6インチのSiCエピ基板を開発した(関連記事)。