Tesla社の車両をハックする様子
Tesla社の車両をハックする様子
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 2015年に起きた「Jeepハック」以降、世界の自動車メーカーが直面するセキュリティー対策(関連記事)。最近もクルマの電子キーをコピーすることでドアを解錠し、エンジンを始動できる装置があることが分かった(関連記事)。この1年、自動車メーカーはクルマの開発プロセスや構成を大きく変える意気込みで、セキュリティー対策に本腰を入れ始めた(関連有料記事)。

 自動車セキュリティーに欠かせなくなるのが、無線通信で電子制御ユニット(ECU)のソフトウエアを遠隔更新するOTA(Over the air)である。脆弱性をいち早く修正できる利点がある。加えて、世界で開発が急速に進む自動運転車は、OTAが必須要件とされる可能性が高い。

 2016年9月、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)が自動運転車の指針案を公表した。その中でセキュリティーを重んじる考えを示し、OTAに言及した。OTAで先行するのが米Tesla Motors社。ソフトウエアの更新で、新しい自動運転機能を追加するなど積極的だ(関連記事)。2016年11月には、トヨタ自動車が今後OTAを導入すると発表した(関連記事)。ドイツBMW社は、OTAの積極的な導入に向けたソフトウエア開発のあり方について論じている(関連記事)。

 自動運転車のセキュリティーとして、OTAに加えて侵入検知システム(IDS)を導入する検討も進む。日本とドイツが、国際連合で進む自動運転車の指針を決める会議で提案する。