免許制を目前に乱立するドローン認定校

 多数のドローンが完全自律で飛行するようになるには、まだ時間を要しそうだ。現状ではドローンを使って測量や点検、農薬散布を行うといった場面でも、オペレータがドローンを操縦することが多い。このため、オペレータの育成も重要なテーマだ。

 政府は、2016年7月29日の官民協議会において、操縦者の資格制度を認定する仕組みを設ける方針を発表した。国家資格に相当する「ドローンの操縦者免許制」については議論が先送りになっていたが、2016年度中には一定の基準に適合している操縦者資格制度を、国土交通省のホームページに掲載する見通しだ。この仕組みにのっとった機体や操縦者については、飛行許可・承認のための審査を一部簡素化できるようになる。

 これに伴い、2016年は民間団体や企業が主導し、操縦者の技能を認定する動きが相次いだ。ドローンのオペレータや安全運航管理者の養成所の認定制度を国内でいち早く立ち上げたのが、ドローンの業界団体の1つである日本UAS産業振興協議会(JUIDA)である。JUIDAの認定校は、2015年10月から約1年で70校以上にのぼる。操縦技能証明証は600人以上に発行している。

 中国DJI社も、同社のドローンを使った操縦者を育成するプログラムである「DJI CAMP」を2016年1月から開始しており、修了者には技能資格証明を発行している。3年で1万人以上の操縦者の育成を狙う。

 2016年10月には、ドローン操縦士協会(DPA)もドローンの技術認定証の発行を開始(関連記事)。認定校の1つである「ドローンスクールジャパン東京校」では、農薬散布をはじめとする農業に特化したコースなども始めている。