Global Smart Grid Federation(GSGF)によって、電力系統への適用を前提とした、大型蓄電池の活用に関する白書がまもなく発表される。GSGFは世界各国のスマートグリッド関連団体が集まった組織であり、日本からはスマートコミュニティ・アライアンス(JSCA)がメンバーとなっている。GSGFは、スマートグリッドの発展と普及を目的として、スマートグリッドに関する政府・非政府組織の協働支援や、各国の関連技術・施策の共有を行っている。
GSGFでは、スマートグリッドに関するいくつかのテーマについてワークグループ(WG)を設置し、GSGFメンバー国の電力会社、メーカー、研究機関が参加して、各国の情報共有と今後に向けた課題や展開について分析している。昨年度は、日本は電動車WGのリーダーとして、電動車の普及に関する白書を取りまとめた。この電気自動車の白書については、日経テクノロジーオンラインの連載でも紹介した(電気自動車普及に成功した国は何をしたのか?)。
現在実施中のワークグループについては、系統用大型蓄電池WGを日本がリーダーとなり活動してきており、間もなく白書の形でとりまとめられる見込みだ。
今回、この系統用大型蓄電池に関する白書は、一般的には高価ゆえに本格的な大量普及は当面先と考えられている系統用の大型蓄電池について、各国における蓄電池の導入事例や、中でも経済的に成立している用途を取り上げた上で、電力システムに関する制度変更などによる蓄電池市場の拡大の可能性を検討している。本連載では、この白書におけるポイントを3回に分けて紹介する。
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
特命審議役