発電量予測はコストの問題

 電力会社は前日に、翌日の電力需要を予測し、稼働させる発電所を決定する。今までは需要予測だけでよかったが、太陽光発電の供給量が増えたため、その予測も必要になった。予測精度が高いと、予測の外れた時のために予備力として待機しておく電源を少なくできるため、経済性が高まる。

 したがって、太陽光発電の供給予測は、連系制約の問題というより、電力コストの削減につながる技術なのだが、再エネ普及の観点で重要な事項なのでここで詳しく見ておきたい。

「ひまわり8号」で雲の予測向上

 太陽光の発電量予測には、静止気象衛星「ひまわり」の画像を活用した手法と、地上の日射計を用いた手法がある。衛星画像による雲の動きは前日予想に有効である。

 現在、「ひまわり」は8号になり、画像が2分半間隔で送信されるようになった。それにより、雲の動きの方向性、スピードがわかり、雲の変化を予測しやすくなった。また、カメラの波長読み取りの幅が広がったことにより、雲の厚さや雲頂高度についても推定しやすくなった。それにより、雲の動きを予想することで、翌日の太陽光発電量の予測精度が大幅に高くなった(図3)。

図3●静止気象衛星「ひまわり」による画像
図3●静止気象衛星「ひまわり」による画像
(出所:ひまわり8号リアルタイムWeb、NICT)
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