「容量面での系統制約」とは?

 容量面での系統制約のうち、供給エリアでの需給バランス制約は、供給エリア内で電力需要より電力供給の方が多い場合に現れる。

 九州電力管内では、すでに太陽光発電事業者に電力会社からの出力抑制付きという条件でのみ連系可能となっているが、これはまさにこの制約問題が九電管内で発生しているからである。

 例えば、5月の大型連休中に晴天に恵まれた場合、太陽光発電からの供給が多い一方で、電力需要が少ないため、ほぼ全ての火力を止め、バイオマス発電を止めても、まだ電力供給量が多いケースが想定される。このような時、電力会社は太陽光や風力発電事業者に対して出力抑制を依頼することになる。

 次にそもそも「つなげない」という回答が来る場合がある。

 これは発電所を接続する送電線の容量がすでにいっぱいである時に起きる。現在の送電設備容量以上の接続申し込みがあった場合には、送電容量を増強しなければならないからだ。したがって、この場合の連系制約は多大な送電設備増強コストの問題と言え、そのコストさえ払うのなら、電力会社には連系を拒否することは理論的にはないと言える。

「変動面での系統制約」とは?

 電力会社は後述するように、基本的には前日に供給エリア全体での需給バランス調整を行うことで、電力需給をコントロールしている。したがって、太陽光や風力発電のように、短期的な出力変動については予測するのが難しい。しかし、短期的な需要と供給のアンバランスは、周波数変動となって電力品質に悪影響を及ぼす。

 この短期的出力変動を緩和するため、北海道電力管内では、メガソーラー(大規模太陽光発電所)に蓄電池を併設することが求められている。本来、蓄電池は発電端にあるより、送電網の主要部分にあった方が有効に活用できるので、送電会社が持つという制度も考えられよう。ヨーロッパでは、風力発電事業者が共同で蓄電池を保有する例もある。