再生可能エネルギーが国内外で予想を超えるスピードで普及し始めている。それにつれ、「再エネビジネス」も成長を続けているものの、普及の速さにエネルギーシステムや社会システムが追い付かず、さまざま課題も出てきた。新コラムでは、スマートエナジーの大串卓矢社長が、再エネビジネスに関する課題やトピックについて解説する。

 太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーを開発する上で、発電計画地で電力会社が連系してくれるかどうかが大きな制約要因となっている。今回は、今後分散型エネルギー社会になる上で、解決すべき問題「系統連系問題」について考えたい。

そもそも「連系制約」とは何か

 電力会社への連系事前照会で、発電事業の計画地において系統連系が可能か否かについて回答がもらえる。この時、回答書に「連系可能容量」が数値で記載してある。この「連系可能容量」とは何であろうか?(図1

図1●供給エリア内での需給イメージ
図1●供給エリア内での需給イメージ
(作成:筆者)
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 系統連系の制約要因には大きく、「容量面での系統制約」と「変動面での系統制約」に分けられる。そのうち容量面での系統制約には、電力会社の供給エリアでの「需給バランスの制約」と「送電容量の制約」の2つがある(図2)。

図2●制約要因の分解
図2●制約要因の分解
(出所:経済産業省資料)
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