この記事は『見守り・監視技術に関する特許分析と事業化動向』(発行:キャップインターナショナル)から一部を抜粋・編集したものです。

図1●運転者の見守りに関する特許の見守り対象の細分類
図1●運転者の見守りに関する特許の見守り対象の細分類
[画像のクリックで拡大表示]

 ここでは、運転者の見守り・監視技術に関する特許を分析する。まずは、運転者に関するキーワードで抽出された特許94件について、運転者の監視、走行状態の監視の2つに細分類した結果を図1に示す。運転者の監視が85件と約9割を占め、走行状態の監視は9件ある。

 運転者に関するキーワードで抽出された特許94件については、見守り方法の観点から、カメラ/画像による見守り、位置/動きによる見守り、生体信号による見守りの3つに分類している。さらに、カメラ/画像による見守りについては、画像自動判定、画像目視の2つに細分類している。また位置/動きによる見守りについては、位置情報測定、対象検知の2つに細分類している。生体信号による見守りについては、安否確認、健康状態管理の2つに細分類している。

画像自動判定が過半数

 ここで、運転者の見守りに関する特許94件について、見守り方法の3つの観点から上記の6区分に細分類した結果を図2に示す。

図2●運転者の見守りに関する特許の見守り方法の細分類結果
図2●運転者の見守りに関する特許の見守り方法の細分類結果
[画像のクリックで拡大表示]

 画像自動判定が54件と6割弱を占める。次いで健康状態管理が17%、対象検知が14%と多くなっている。その他は、安否確認が5%、画像目視が4%、位置情報測定が2%となっている。

 運転者監視の最も大きな目的は居眠り運転を事前に検知、防止することと考えられる。その方法として、心拍/脈拍の変化から検知する方法、まばたきなど表情の変化から検知する方法、頭の傾きなど運転者の姿勢の変化から検知する方法、運転操作の変化から検知する方法、蛇行など走行状態の変化から検知する方法などが知られており、一部は実用化されている。

 画像自動判定は、主にまばたきなど表情の変化による居眠り検知に関わっていると見られる。また、健康状態管理は、主に心拍/脈拍の変化による居眠り検知に関わっていると見られる。