この記事は『バイタルサインセンシング技術に関する特許分析と事業化動向【Part.1 日本特許編】』(発行:キャップインターナショナル)から一部を抜粋・編集したものです。

 今回は、血圧測定(センシング)技術を取り上げる。同技術に関しては、特許検索によって491件を抽出。精読の結果、公開特許として444件を得た。

 このうち、これまでに登録に至ったものは176件である。出願件数の約4割が既に登録されている形だが、査定前のものも多数あることから、登録件数は今後さらに増える可能性がある。以下では、時系列で見た概要を示そう。

NTTとテルモが2004~2005年に集中出願

 まず、444件の公開特許全体では、出願件数は2005年までは増加傾向にある(図1)。特に、出願件数は2004~2005年に急増しており、公開件数は2006年に急増してピークとなったが、その後はやや減少傾向にある。

図1●血圧測定技術に関する特許の出願件数/公開件数推移
図1●血圧測定技術に関する特許の出願件数/公開件数推移
[画像のクリックで拡大表示]

 登録特許176件で見ても同様に、2005年までは増加傾向にある。出願件数は2004~2005年に急増し、登録件数は2010~2011年に急増してピークとなったが、その後は元のレベルに戻った。出願から登録に至るタイムラグは6年程度と見られる。

 こうした特徴的な傾向になっているのは、特定の出願人が2004~2005年に集中して多数の特許を出願したためと考えられる。血圧測定の分野で出願件数が1~2位のNTTとテルモを合わせると、2004年に34件、2005年に66件を出願している。両社は共同出願も多く、この時期に集中して血圧測定技術に関する研究開発の成果が得られたと考えられる。