今、スポーツの世界で「革命」とも言うべき新たな取り組みが次々に誕生している。一昔前なら試合での選手のパフォーマンスをデータ化して戦術構築に活用するのはプロの専売特許だったが、最近では一般アスリートでも「見える化」が簡単にできるようになった。プロの世界では一歩進んで、選手に関するデータをクラウドに蓄積してビッグデータ化することで、フィットネスや疲労度を診断するサービスも徐々に浸透している。スマートフォンやクラウドといったITを核にしたイノベーションは、競技やトレーニングのみならず、テレビを主役としてきた観戦の常識をも変えようとしている。スポーツ界で起きているIT革命にスポットライトを当てる。
スポーツIT革命の衝撃
目次
-
マイケル・ジョーダンのすごさを過去の放送映像からAI解析
史上最高の選手は誰か・・・。これはスポーツ界でしばしば話題に上るテーマである。最近、米国では米プロバスケットボールリーグNBAの史上最高を巡って、往年と現在のスーパースター「マイケル・ジョーダンvsレブロン・ジェームズ」の議論が活発化しているようだ。
-
プレー成功率をAIでリアルタイム予測、アマゾンの「観戦体験革命」
プロなどトップアスリートのプレーをトラッキングし、データをテレビ放送で紹介するのはもはや珍しくなくなった。しかし、試合を決定づける可能性がある重要シーンの成功率予測をリアルタイムに表示するとなると話は別だ。こんな先進的な取り組みをしているのが、米Amazon(Amazon.com)のクラウドプラッ…
-
遺伝子情報で選手の筋力最大化、いわきFC「フィジカル×データ革命」
「スポーツアナリティクスジャパン2019」報告(1)
2017年の天皇杯(JFA 全日本サッカー選手権大会)で持ち前のフィジカルを武器に快進撃を見せ、多くのサッカー関係者やファンに衝撃を与えたいわきFC(東北社会人サッカーリーグ)。
-
アクティブ率30%超、Jリーグアプリに隠されたデジタル戦略
総ダウンロード数に対して30%以上という“驚異”のアクティブ率を誇るアプリがある。日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)と電通が2017年8月にリリースしたJリーグ公式のスマートフォン(スマホ)アプリ「Club J.LEAGUE(クラブJリーグ)」だ。
-
演奏者も身体データ測定でパフォーマンス改善へ、桜美林大学の挑戦
スポーツ界ではここ10年でアスリートのパフォーマンス可視化が一気に普及したが、同じように体を使って演奏する音楽界ではその取り組みは遅れている。ここにきて、スポーツ界と同様、科学的なアプローチでパフォーマンスの向上を目指す取り組みが始まった。
-
AIが改善点提示、スーツ型デバイスで動作負荷を可視化
日立製作所とドイツ人工知能研究センター(DFKI)は、スーツ型ウエアラブルデバイスを着用した作業者の身体負荷を定量評価し、身体の部位ごとに作業動作の改善点を提示するAI(人工知能)を開発した。模範的な動作との違いを身体の部位ごとにフィードバックするなど、作業支援や危険行動防止に向ける。将来的には、…
-
「コンパクトな守備」、FIFA分析チームが明かしたW杯ロシア大会の戦術トレンド
累計で世界の35億人が観戦――。数字上は世界人口の半分に相当する人たちが観たことになるという、2018年のサッカーW杯ロシア大会。この規模感もさることながら、4年に1度の大会だけに、試合を分析をすることで戦術トレンドがはっきりと見えるのも面白い点だ。
-
5Gでフィットネス業界からスタジオ消滅? ライブ配信アプリの野望
会員制フィットネスクラブの運営を行う東急スポーツオアシスは、スタジオプログラムのライブ配信に向けたiOS向けアプリ「WEBGYM LIVE」の発表会を行った。2019年1月15日に配信を開始したアプリで、自宅にいながらインストラクターによるレッスンを受けられる。まずはバイク(フィットネスバイク)に…
-
JリーグとNTTがデジタルアセット活用推進へ、映像など資産を一元化
日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)とJリーグメディアプロモーション、NTTグループは2019年3月14日に共同で記者会見を開いた。Jリーグは、2019年シーズンから著作権を有する全てのデジタルアセットを集約。制作・編集・供給・配信などを一元的に管理するデジタルアセットのハブ機能「Jリーグデジタルアセ…
-
チケット6分で完売、Bリーグが“8K映像”ライブビューイング
2019年1月19日、Bリーグは昨年に続いて2度目となる次世代型ライブビューイング「B.LIVE in TOKYO」を品川プリンスホテル(東京・港区)のステラボールで開催した。
-
ASローマ、失敗から学んだデジタルマーケティング10の知見
Sport Innovation Summit 2018 Tokyo報告(2)
世界の著名なスポーツ組織や関連企業からプロフェッショナルが集い、スポーツビジネスに関する最新事例などを紹介するスポーツビジネスカンファレンス「Sport Innovation Summit 2018 TOKYO(以下SiS)」が、2018年11月29~30日の2日間、日本で初めて開催された。SiS…
-
「常にデータ収集」こそがデジタルマーケティングの要諦
Sport Innovation Summit 2018 Tokyo報告(1)
スポーツ業界におけるデジタル活用は、競技のパフォーマンス向上だけでなく、ファンエンゲージメント向上においても重要な役割を担う。デジタル技術を駆使し、どのようにファンとのエンゲージメントを深めていくのか。こうした課題を持つ企業やスポーツクラブは少なくない。
-
東京五輪で3Dの選手トラッキング技術導入へ、インテルとアリババが協業
米インテル(Intel)と中国アリババ(Alibaba Group)は、2020年に開催される東京五輪での導入を目指し、人工知能(AI)を活用したアスリートのトラッキング技術の開発で協業した。両社とも、五輪の最高位のスポンサー企業である。
-
ARで垣間見る「スポーツ観戦の未来形」
ラグビーワールドカップ2019や2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催が近づく中、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)を活用してスポーツの新たな観戦体験を提供する試みが活発化している。
-
再び「箱根」へ、テクノロジーとマネジメントプロセスに復活期す
慶應箱根駅伝プロジェクト(後編)
1920年の箱根駅伝第1回大会に出場し、総合優勝の経験もある大学駅伝界の古豪・慶應義塾大学。第70回大会(1994年)以降は同校の本選出場は途絶えているが、2017年、古豪復活を目指すプロジェクト「慶應箱根駅伝プロジェクト」がスタートした。
-
IT活用に託す「箱根駅伝」古豪復活、慶應義塾大学
「慶應箱根駅伝プロジェクト」(前編)
正月の風物詩であり、大学スポーツの花形とも言える「箱根駅伝」。2019年1月2日、3日に開催される第95回大会では関東学生連合を加えた23のチームが出場するが、関東有数の有名校でありながらこの中に加われなかった大学がある。
-
空中のスキージャンパーを真横から撮影、連結カメラで分析実現
選手のプレー映像の分析は、あらゆるスポーツにおいてパフォーマンスの向上に不可欠な要素だ。しかし、分析に適した映像を撮りにくい競技も存在する。選手が目の前を時速90km程度の高速で通過するスキーのジャンプや、水泳の飛び込み競技などだ。
-
選手とサポーターで映像「全員分析」、ラクロス日本代表が世界で勝つ秘策
現在、日本の大学の体育会系部活動で、男女合わせた所属人数が最も多いスポーツをご存知だろうか。1600年代に北米インディアンの闘争訓練をフランス系移民が見つけ、命名した北米発祥のスポーツ「ラクロス」である。日本ではまだあまり知名度が高くないスポーツだが、「クロス」と呼ばれる網の付いたスティックを持つ…
-
後ろ姿でもプロ野球の選手名が分かるAI、富士フイルム子会社がAzureで開発
日本マイクロソフトは2018年11月26日、同社のクラウドサービス「Microsoft Azure」上で開発したAIを日本野球機構(NPB)が採用したと発表した。NPBが運営するプロ野球向け写真管理サービス「NPB CIC(Contents Images Center)」で利用する。
-
スポーツ後の疲労緩和、オムロン ヘルスケアが低周波治療器
オムロン ヘルスケアは、スポーツ後の筋肉の疲労や筋肉痛を緩和する低周波治療器「HV-F601T」を2018年11月20日に発売した。健康のためにスポーツに取り組む人が増えており、翌日に疲労を残したくないビジネスパーソンなどの需要を見込む。発売後1年間で6000台の販売を目指す。