2017年のプロ野球日本一を決定する日本シリーズ進出をかけて、盛り上がりを見せているクライマックスシリーズのファイナルステージ。“我がチーム”の日本シリーズ進出を信じて、日々、応援に熱を入れているファンの中には、この異色の腕時計型ウエアラブル端末をすでに持っている人もいるだろう。

 シャープがプロ野球ファンに向けて開発した「funband(ファンバンド)」だ。Bluetoothでスマートフォン(スマホ)とつなぎ、クラウド連携することによって新たな野球の楽しみ方を提供することを目指している端末だ。

シャープの腕時計型ウエアラブル端末「funband(ファンバンド)」。現時点では、広島東洋カープ、福岡ソフトバンクホークス、横浜DeNAベイスターズのファン向けの3種類をラインアップしている
シャープの腕時計型ウエアラブル端末「funband(ファンバンド)」。現時点では、広島東洋カープ、福岡ソフトバンクホークス、横浜DeNAベイスターズのファン向けの3種類をラインアップしている
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 2017年6月1日に広島東洋カープファン向けの製品を1000台限定で発売したところ、約1週間で在庫切れとなり、8月に本格販売を開始。さらに福岡ソフトバンクホークス、横浜DeNAベイスターズのファン向けの製品を追加した。奇しくも、いずれのチームも今回のファイナルステージに進出している。

チャンスでLEDが点滅

 funbandは各球団に向けた製品ごとにバンドがチームカラーになっており、ロゴがつけられている。通常は時計として使えるが、試合の開催時には2通りの使い方がある。

 まず、ユーザーがスタジアムへ赴いて直接試合が見れないときは、得点が入るなど試合が動くたびに振動で知らせて、経過を確認できる。チャンスのときは内蔵する5個のLEDがチームカラーの色で点滅する。カープの場合は赤色、ベイスターズの場合は青色といった具合だ。

funbandアプリの画面。試合状況を確認できるほか、画面下にはfunbandユーザーから取得した“応援量”を基にした「盛り上がり」具合が表示される
funbandアプリの画面。試合状況を確認できるほか、画面下にはfunbandユーザーから取得した“応援量”を基にした「盛り上がり」具合が表示される
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 スタジアムで応援する際は、端末を付けた腕の動き(振り)を内蔵する6軸センサー(加速度+角速度)で検出し、“応援量”を算出。そのデータをスマホ経由でクラウドに蓄積し、どの選手が最も応援されているか、または自分がファンの中でどの程度応援しているかについてのランキングをスマホで確認できる。例えば、9月~10月度はカープでは1位が松山竜平選手、ホークスは1位が武田翔太選手だった。

 搭載するディスプレーは0.77型の白色有機EL。重さは39g(端末18g、バンド21g)。本体価格は1万800円(税込)で、サービス利用には別途、月額120円(税抜き、初回1年分は無料)がかかる。

 シャープによれば「販売は好調」で、2018年以降、他球団のファン向け製品も追加する予定。製品展開を12球団すべてに拡大したい、としている。