球場内を一望できる、左翼外野席後方の公園に設置された観覧車。ホームの東北楽天ゴールデンイーグルスの選手がホームランを打つと、観覧車に取り付けられたLEDが一斉に光り、中央に設置された円形ビジョンには選手の顔が表示された――。
東北楽天ゴールデンイーグルスが本拠地とする「楽天Koboスタジアム宮城」は、エンターテインメントという観点で、現時点で“日本最強”のスタジアムと言っても過言ではないだろう。
同球団を運営する楽天野球団は「世界に誇れるボールパーク」を目標に、2014年から同スタジアムの改修を続けている。2016年シーズンにはグラウンドの天然芝化のほか、スコアボードを電光掲示板から全面的にLED化したり、左翼外野席後方を公園として整備したりするなど、ファンに再訪してもらうための仕掛けを次々に繰り出している。
その柱とも言えるのが、映像やICT(情報通信技術)を駆使したファン体験の向上だ。2020年に向けてスタジアム・ソリューションを強化しているパナソニックが、システムの開発などを請け負った。「電機メーカーとしてエレクトロニクスのアプローチから、スタジアムの価値向上のために何ができるかがテーマだった」(パナソニックシステムネットワークス社会システム本部社会システムセンター放送・映像メディアシステム部総括の佐藤雅郎氏)。
代表的な成果が「スタジアム統合演出マネジメントシステム」である、センター後方の大型LEDビジョンや場内に設置された各種のディスプレー、観客が持つスマートフォン(スマホ)までを対象として、映像・音響を使った演出を可能にした。