同期を取った映像は、Webアプリ上で好みのレイアウトで確認できる。例えば、4台のスマホで撮影した映像をコマ割りで表示したり、いずれか1つの映像のみを大きく表示したりするなど、競技や目的に応じて変更可能だ。

 さらに、映像を見ながら「良かったシーン」「悪かったシーン」「気になるところ」など3種類のタグをワンタッチで付けられる。コーチがあらかじめ映像にタグを付けておき、選手に指導する際にタグを付けたシーンのみ確認するという使い方ができる。

撮影した映像に3種類のタグを付けられる(画面下のバー上のアイコン)。選手と映像をチェックする際に、タグ付けした箇所のみを再生可能
撮影した映像に3種類のタグを付けられる(画面下のバー上のアイコン)。選手と映像をチェックする際に、タグ付けした箇所のみを再生可能
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ユースや学校にも

 ChimeCa Sportsの価格は、現時点では未定という。日本スポーツ振興センターのパラリンピック競技のパフォーマンス分析担当を経て、現在はスポーツセンシングに在籍する渋谷暁享氏は、「マルチアングルを実現する従来の映像システムは、カメラが4~6台構成でおよそ500万~600万円もする。それに比べるとかなり安価にできる。しかも、設定が簡単で、パラリンピックのアスリートがテスト版を自分で操作して使っている」と話す。

 既にテスト版は、ウエイトリフティングやトランポリンなどの競技で使われている。トップアスリートのみならず、ユースのチームやアマチュアの趣味スポーツ、学校など普及のポテンシャルは高そうだ。