3つの修正処置―今回の位置付け

  第2回は修正についてです。第1回で紹介した通り、修正とは「検出された不適合を除去するための処置」です。不適合とは品質問題のことであり、バケツに空いてしまった穴をふさぐイメージです。

 修正処置には、修正第1次、2次、3次処置と段階があります。

 修正第1次処置とは、まだ原因分析を行っておらず、解決すべき問題事象しか把握できていない状況であるが処置の緊急性が高い場合に、品質問題発生後に即時に行う処置のことを指します。

 修正第2次処置とは、一定時間が経過した後、あるいは一定の作業が完了した後、それまでに解明できた原因から対象範囲の絞り込み行う処置です。対象範囲の広さは、第1次処置と同じか狭くなることが多いです。24時間以内に原因究明を行い、その結果に基づいて処置の対象範囲や内容を決定するイメージです。

 修正第3次処置とは、投入可能な最大限の経営資源を費やした結果、解明できた原因から対象範囲を絞り込む処置です。対象範囲の広さは第2次処置以下になります。

 修正第1次、第2次処置までは、多くの企業で実践できているように思いますが、第3次修正処置まで実施できている企業はあまり多くないようです。そこで今回は、適切な修正対応をとるためのポイントとなる対象範囲の設定について説明します。