情報通信技術やセンサーネットワークの発達により、病院の機能そのものが社会に埋め込まれる――。日経デジタルヘルスが提唱するコンセプト「ソーシャルホスピタル」と重なるそうした医療の将来像を、医療情報の専門家の立場から提唱しているのが京都大学 教授の黒田知宏氏である。

 医師を情報の洪水に沈め、本来の仕事に割く時間を奪い、医療基盤そのものを崩壊させる。医療におけるICT活用が進む一方、そんな不幸を招かないためにはどのような医療のパラダイムシフトが必要なのか。同氏は各所で積極的な提言を行っている(関連記事)。

 厚生労働省の2015年8月10日の“解禁通達”を受け、にわかに注目を集めている遠隔診療についても、独自の視点を持つ黒田氏。新しい医療のカタチに遠隔診療がどう貢献し得るかを聞いた。

(聞き手は大下 淳一=日経デジタルヘルス)

京都大学の黒田氏
京都大学の黒田氏
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