Keimyung University Dongsan Medical Centerにおける、観鬱陵島(ウルルンド)との遠隔医療の様子(写真は本文とは直接関係ありません、2011年に本誌が撮影)
Keimyung University Dongsan Medical Centerにおける、観鬱陵島(ウルルンド)との遠隔医療の様子(写真は本文とは直接関係ありません、2011年に本誌が撮影)

 韓国の医療・保健政策を担当する保健福祉部は2015年10月21日、遠隔医療産業の育成に向けて、2016年に関連予算を大幅増額することを明らかにした。

 保健福祉部が進めている「遠隔医療制度化のための基盤構築事業」の2015年予算は3億5000万ウォン(約3900万円)。これに対し2016年は8億5300万ウォン(約9400万円)増の12億300万ウォン(約1億3300万円)とする計画だ。この予算には、遠隔医療のための調査・研究・評価、遠隔医療システムの維持管理、遠隔医療のための統合データベースの高度化と管理、遠隔医療機器の技術標準ガイドライン制定、遠隔医療の現況調査および評価、海外での遠隔医療支援、国家別実証実験による海外進出モデル開発などが含まれる。

 保健福祉部が遠隔医療の予算を大幅に増額できたのは、たばこを値上げしたおかげである。韓国政府は2015年1月1日からたばこの販売価格を、従来の1箱2500ウォン(約280円)から4500ウォン(約500円)に値上げした。たばこ販売価格の約15%は健康増進基金として積み立てられ、文字通り国民の健康増進に向けた研究や禁煙支援に使われる。たばこの値上げにより健康増進基金も増え、その増分を遠隔医療の制度化に向けた予算に使うことにした形だ。