本コラムは、数々のイノベーションで広く知られる3Mグループにおいて、大久保孝俊氏が体得したイノベーション創出のためのマネジメント手法を具体的に紹介します。大久保氏は、自身で幾つものイノベーションを実現しただけでなく、マネジャーとして多くの部下のイノベーションを成功に導きました。

 今回は、「Can Believe(信じることができる)」システムと、それを構成する仕掛けについて説明する(図1)。同システムは、イノベーションを育む企業文化を構築する手法として筆者が提唱する「CanRUBシステム」(本連載「3つの「できる」でイノベーション企業文化を育てる」参照)を構成する3システムのうち3番目となる。

図1 「Can RUBシステム」の3番目のシステムは「Can Believe(信じることができる)」
図1 「Can RUBシステム」の3番目のシステムは「Can Believe(信じることができる)」
「Can RUBシステム」において、勇気を持ってイノベーションに挑戦する活動を経営者・組織がサポートしていると信じるように導くシステムが、「Can Believe(信じることができる)」である。「 Can Recognize(気づくことができる)」システムで気づいたことを業務に使えるようにするシステムが、「Can Utilize(使うことができる)」である。
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