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スタジアムとアリーナが拓く未来

横浜の将来像は「スポーツのシリコンバレー」

動き出す「横浜スポーツタウン構想」(下)

2017/04/05 05:00

内田 泰=日経BP社デジタル編集部

 横浜DeNAベイスターズが推進する「横浜スポーツタウン構想」の中核施設「THE BAYS(ザ・ベイス)」が、2017年3月18日にオープンした。これまで横浜スタジアムや横浜公園を起点に進めていた「コミュニティボールパーク」化構想を、THE BAYSを拠点に街レベルに展開し、街づくりや新産業創出を目指す。国内のプロスポーツチームとして先駆的な取り組みとなる「THE BAYS」の概要を紹介するとともに、そこに懸ける思いを同社社長の岡村信悟氏に聞いた。

シェアオフィスで新産業の創出を目指す

 「スポーツ×クリエーティブ」をテーマに、新産業を創出する――。「THE BAYS」の最大の特徴は、2階に開設した「CREATIVE SPORTS LAB」にある。

 これは、会員の企業やクリエーターがオープンイノベーションを通じて商品開発などを行うことを目指すシェアオフィス。2月16日時点で、慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科、横浜ゆるスポーツ協会、超人スポーツ協会/慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科、スノーピークビジネスソリューションズなどが連携会員(有料)となって入居することが決まっている。さらに、月1万円の会費で個人が参加することもできる。

「CREATIVE SPORTS LAB」のオープンスペース。撮影したのは、会員の入居前(3月16日)
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 例えば、慶応義塾大学大学院SDMは、横浜DeNAベイスターズと共同研究契約を結び、最新のセンシング・画像解析・AI(人工知能)技術を用いて選手などのデータを収集・分析し、スポーツパフォーマンスを向上するためのサービスなどを開発するという。

 横浜ゆるスポーツ協会や超人スポーツ協会はそれぞれ、ハッカソンを開催するなどして新スポーツを開発する。横浜ゆるスポーツ協会は、年齢・性別・運動神経などにかかわらず、誰でも参加できる“ゆるい”スポーツを開発する。一方、超人スポーツ協会は最新技術とスポーツを融合し、既存の概念を超える新スポーツを創造する。

 こうした新スポーツを、隣接する横浜スタジアム内で実証したり、プロモーションしたりする。

2階の「CREATIVE SPORTS LAB」のデザインは、スノーピークが監修。テントは同社の製品で、共通のワーキングスペースとしてテント内で打ち合わせができる
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横浜の街でアウトドアフィットネス

「THE BAYS」の外観。市の指定有形文化財に指定されている「旧関東財務局」の内部を改装した
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 THE BAYSの地下1階は、スタジオスペースを活用した体験型プログラムの拠点となっている。BEACH TOWNがヨガやピラティスを中心に、月間140本程度のフィットネスプログラムを展開する。横浜公園や横浜の街を舞台にした、ランニング、ヨガなどのアウトドアフィットネスも行う。

 また、瀬古利彦氏が総監督を務めるプロの陸上チームである「横浜DeNAランニングクラブ」が、子供向けのスポーツ体験型コンテンツを提供する。

 THE BAYSは、横浜市の日本大通りと横浜公園が結節する場所に立つ「旧関東財務局」の建物を改装した施設。昭和初期に建設され、横浜市の指定有形文化財に指定されている。横浜DeNAベイスターズは、2016年10月から15年の定期賃貸借契約を市と結び、れんが造りの壁などをそのままに、港町ならではのおしゃれな施設に仕上げている。

 入り口となる1階には、ファンだけでなく市民が気軽に立ち寄れる、野球をテーマにしたカフェとショップを開業。カフェでは、これまで横浜スタジアムで提供していた球団のオリジナル醸造ビールも提供する。試合のない日でも、多くの人が集まるコミュニティー空間を目指すという。

1階のカフェ「&9(アンド・ナイン)」。オリジナルの醸造ビールを販売
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1階のショップ「+B(プラス・ビー)」
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