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Bリーグ、日本スポーツ界の革命

評価の基準は「観客動員」、これがすべてです

Bリーグ・川淵三郎キャプテン、スポーツビジネスの未来を大いに語る(前編)

2016/09/12 00:00

上野 直彦

 2016年9月22日。

 バスケットボール男子の国内最高峰プロリーグ「B.LEAGUE」(以下、Bリーグ)がいよいよ開幕する。

 2005年に日本の協会とたもとを分かちプロ化に踏み切った「TK bjリーグ」(以下、bjリーグ)と、企業チームが主体の「ナショナル・バスケットボール・リーグ」(以下、NBL)が統合。この11年、叶わなかった統一を実現したのは外部から招聘された日本バスケットボール協会(JBA) エグゼクティブアドバイザーの川淵三郎氏だ。サッカー・Jリーグの初代チェアマンを務めた経験をもとに大なたを振るい、国際バスケットボール連盟(FIBA)から資格停止処分を受けた日本バスケットボール界を「再生」させた。

 日本のスポーツ界をまた一段と進化させるであろうBリーグ。川淵氏にこれからの日本バスケットボール界の課題や展望、また日本のスポーツ界の未来を語ってもらった。(聞き手は、上野直彦=スポーツライター)

(写真:加藤 康)
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多くの仲間をアリーナに連れて来てほしい

―― 最初に、川淵さんのことは何とお呼びすればいいのでしょう? 既にJBA 会長の役職を離れて、エグゼクティブアドバイザーという肩書きですが。

川淵 キャプテンでいいよ。みんなから、そう呼んでもらっているので。

―― 分かりました。では、川淵キャプテンにお聞きします。リオデジャネイロ五輪の女子バスケットボール日本代表は大活躍でした。特に、敗れたとはいえ一時は16点のリードを奪ったオーストラリア戦はすごい試合内容でした。

川淵 日本でテレビ放送されたリオ五輪の試合はすべて見ました。おっしゃる通り、初戦、2戦目の勝利は大きかったですし、3戦目のオーストラリア戦は敗れましたが、本当に惜しかったね。試合内容もよかった。そんなに簡単には勝たせてもらえないのも現実です。あのあたりがまだ大きな舞台で戦っていない経験のなさかなとも思いました。

―― 先日(8月24日)開催された「熊本復興支援 Bリーグ・チャリティーマッチ」も取材しましたが、平日開催にもかからず2000人以上の観客が集まり、延長戦となった試合に喜んでいました。あの試合をBリーグではどのように捉えていますか。

川淵 Bリーグが成功するためには、あのぐらいの盛り上がりではまだ足りない。今までのbjリーグ、NBLはマニアックなファンが多かった。これからは固定ファンだけでなく、バスケットボールを初めて観る人が今の倍ぐらいは増えないと。

 僕の経験からいうと、「バスケットボールって、初めて生で観たら結構面白いもんだな」と思ってもらえる。だから今までのチームを応援してくれたファンは、多くの仲間をアリーナに連れて来てほしい。それができればBリーグは大成功するに違いないという自信を持っています。

―― Bリーグ開幕まで1カ月 (インタビューは8月29日に行った)を切りましたが、今の段階で考えている課題はどういうところでしょうか?

川淵 プロリーグの評価は、観客動員がすべて。これが僕の一番の基準なんです。観客を動員するために、「バスケットボールの魅力をどう伝えるか」「アリーナの快適性をどう高めるか」「『また観に来たい』という気持ちにどうなってもらうか」など、課題はいろいろあります。

 試合の中身がすごく変わって、日本の選手も今までとは違う積極的な強化に取り組んで面白い試合ができるようになった。ここまでは当然の話です。そういうものがあった上で、評価の判断基準は観客動員。これがすべてです。

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