日本スポーツ界に足りないリーダーシップ

 最後に川淵三郎(現在は日本バスケットボール協会エグゼクティブアドバイザー)という人について話をさせてください。川淵さんは「独裁者」と言われるようなこともある人でしたから、初めてお会いしたときには正直、身構えました(笑)。でも、この2年間で川淵さんのすごさが身にしみて分かりました。同時に、彼を知ることで、日本のスポーツ界に足りないものが見えてくると思っています。

葦原氏が紹介した川淵三郎氏の6つの名言
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 日本スポーツ界に足りないものとは、戦略やビジョンではなく、「リーダーシップ」だと思うのです。川淵さんは強烈なリーダーシップでJリーグをつくり、そしてBリーグをつくりました。物事をダイナミックに変えていくためには、彼のようなリーダーシップがなくてはなりません。

 現在の日本スポーツ界を眺めてみて、川淵さんのようなリーダーシップを持つ人がいるかというと、正直分かりません。しかし、これから「ネクスト川淵三郎」のような人が生まれていかなくては、欧米からはどんどん引き離されてしまうのではという問題意識は持たなくてはいけないでしょう。

 私自身、まだ何も成し遂げていませんが、そうした問題意識を持ちながら、熱い思いと高い志を持って進めていこうと思っています。(談)