全くの予想外だったが、再生可能エネルギーの様々な可能性を感じさせてくれた展示会があった。2017年7月に開催された「第12回再生可能エネルギー世界展示会」である。様々な自然エネルギー、バイオマスの提案や研究結果が展示されていて、密度の高さを感じさせた。一方、併催展示会「PVジャパン」には、目新しい技術は見つからなかった。太陽電池パネルに革新的な技術が生まれていないことの表れといえるだろう。目を引いたのはモニタリングシステムなどにとどまった。既に市場が成熟している感がある。

 本コラムでは、第12回再生可能エネルギー世界展示会で目を引いた内容について、3回にわたって紹介する。第1回は、科学技術振興機構(JST)のアンモニア利用に関する展示や、予想外に興味深かったアカデミックギャラリーの展示を中心に報告する。

アンモニウム燃料電池の固体酸化物型燃料電池セル
アンモニウム燃料電池の固体酸化物型燃料電池セル
電解質にジルコニアを使い、燃料極にアンモニアガスを供給する。空気極の酸素と反応し、アンモニアは水蒸気(H2O)と窒素(N2)に分解されて放出される。
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