「東大生」と聞いて読者の皆さんが思い浮かべるのはどのようなイメージだろうか。勉強がすごくできる、官僚や弁護士になる人が多い・・・おそらく一般的なイメージはこのようなもので、スポーツとはあまり結び付かないだろう。しかし、最近になって突然、「スポーツ×IT」のビジネスで東大生の活躍が目立つようになってきた。しかも卒業生だけでなく、現役の大学生まで含まれているのだ。彼らはなぜ、スポーツ×ITに引き付けられたのか、そして勝算はあるのか。今回から3回の連載を通じて、彼らの実態に迫る。
 初回は、まだ学部生ながら、スポーツの公式戦情報を専門に提供するアプリ開発を行っているスタートアップ企業、スポカレの取締役である俣野泰佑氏を紹介する。

東京大学工学部4年生で、スポカレ取締役の俣野泰佑氏
東京大学工学部4年生で、スポカレ取締役の俣野泰佑氏
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――まず、スポーツとの出会いについて教えてください。

俣野 もともとは大阪生まれで、両親とも関西出身、大の阪神タイガースファンでした。ですから、物心ついたころから、家では阪神タイガースの試合を見て育ちました。外出が好きな両親でしたので、週末には公園へ行ってスポーツをしていたという記憶があります。競技としては、サッカーを小学校1年から大学までずっとやっていました。

――サッカーの中で一番思い出に残った試合について教えてください。

俣野 中学、高校はずっとキャプテンだったので、高校最後の試合はとても思い出に残っています。大学でサッカーを続けたのは、高校時代にどこかやりきれなかったところが残っていて、もう少し続けようと思ったことがあります。

――なぜ、東京大学を目指したのですか。

俣野 親が転勤族だったため、小学校の時に3回転校した経験があります。それもあって、自分が所属するところに馴染むというよりは、人と違う方向を目指そう、という気質が自然と身についたのかなと思います。自分は関西の中高一貫校にその後進学したのですが、そこでは半分以上の生徒が京都大学に進学します。しかし私は、中高で一緒だったメンバーと、大学になっても一緒にいるのはいやだなと思いました。

 あと、実際になんでもやってみないと気が済まない性格なので、やっぱり東京は見ておかないといけないと思ったことや、やるなら一番を目指そうと思ったこともあり、東京大学を自然と目指しました。

――大学では何学部に所属していますか。

俣野 理科一類から工学部に進学しました。工学部とは言っても、ビッグデータなどの情報を扱う学問を専攻しています。