例えば和歌山県の熊野地域では、世界遺産である熊野古道でウォーキングのイベントを開催したり、温泉や地元食材などの地域資源を活用した滞在型プログラムを提供しています。ヘルスツーリズム認証制度を取得することが、地域資産を広く発信する有効手段の1つになっていくことが期待されているのです。

ヘルスツーリズム認証制度の3段階のレベル
ヘルスツーリズム認証制度の3段階のレベル
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究極の「コト消費」

 スポーツ産業には面白い特徴があります。それは、「コト消費」が「モノ消費」を先導するということです。ランニングシューズを買ったからマラソン大会に出るではなく、マラソン大会に出たいからランニングシューズを買うのです。その観点では、スポーツ・ヘルスツーリズムは究極の「コト消費」であるといえます。

 またスポーツ・ヘルスツーリズムは体験や健康という見えやすいメリットを提示できますし、インバウンド観光においては、「スポーツ×観光×文化」は最良のプロダクトミックスだと思います。

 こうした多くのメリットを有するスポーツ・ヘルスツーリズムは、今後、地域住民や産業、社会制度、ネットワークに様々な影響をもたらし、地域イノベーションを誘導するものになっていくと考えています。(談)