あと3年に迫った東京オリンピック・パラリンピック。NTTは「新ビジネス推進室」に専門組織を作り、現在はNTTグループ全体から約50人のメンバーが集まって、2020年に向けた技術やサービスの開発を進めている。
新ビジネス推進室には「2020渉外担当」と「2020レガシー担当」の二つの担当がある。NTTは東京五輪・パラリンピックでは「通信サービス」のカテゴリーでゴールドパートナー契約を結んでいるが、「オリンピックを念頭に置いて、スタジアムや東京全体の人の動きなどを全体的に考え、レガシーの構築を目指している」とNTT 新ビジネス推進室 2020渉外担当 統括部長の齋藤歩 理事は話す。
VRで競技を身近に
NTTが今、2020年に向けて取り組んでいるプロジェクトの一つが、新たな映像配信技術などを利用したスポーツ観戦の支援だ。2017年2月19日~26日まで札幌で開催された2017冬季アジア札幌大会や、Jリーグの大宮アルディージャのホームスタジアムで、Wi-Fiを使った動画配信といったサービスを提供し、2020年に向けて技術やサービスを進化させる狙いだ。
2020年に向けた新たなスポーツ観戦体験の一つとして、冬季アジア札幌大会でNTTが提供したサービスが、VR(Virtual Reality)やマルチアングル映像を利用した観戦支援の動画の提供だ。カーリングやホッケー、フィギュアスケートなどの競技で、スマートフォン向けに観戦の助けとなる情報や画像を配信した。
新たな取り組みの一つがVR映像体験だ。カーリングのストーンにつけたカメラの画像を、VR動画にした。ストーンの動きだけでなく、実際に選手がストーンを操作する動きなどを、ストーンの「目線」から見ることが出来る。
「通常、見られないような映像を配信することで、観客が興味を持てるようにすることが狙い」とNTT 新ビジネス推進室 2020レガシー担当 担当部長の小笠原賀子氏は説明する。カーリングではほかに、カーリングのストーンの位置情報をリアルタイムで配信できるサービスも提供した。