日産自動車が2018年に、可変圧縮比エンジンを量産する。かねて多くの研究があるが、実用化しなかった“夢の技術”。エンジン開発の長い歴史に名を刻む快挙だ。燃費性能と動力性能を大きく高められるのにとどまらず、電気自動車時代の新しいエンジンの姿を見据えた布石でもある。
連載
ベールを脱ぐ日産の可変圧縮比エンジン
日産自動車が2018年に、可変圧縮比エンジンを量産する。かねて多くの研究があるが、実用化しなかった“夢の技術”。エンジン開発の長い歴史に名を刻む快挙だ。
目次
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日産、熱効率50%の発電エンジンを開発へ、25年目標
日産自動車は、2025年ごろを目標に、熱効率で50%に達する発電専用ガソリンエンジンを開発する方針だ。現在のガソリンエンジンでトップ水準の最高熱効率は大体40%。30%の水準から約60年かけて達した。日産は今後、過去60年分の進化をわずか10年以内に実現する考えだ。
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日産の可変圧縮比エンジン、中核部品を日立オートが開発
日産自動車が2018年に量産する可変圧縮比(VCR:Variable Compression Ratio)エンジン(図1)。圧縮比を14から8の範囲で無段階に変えられる画期的な技術だ。その中核部品であるモーター機構を開発したのが、日立オートモティブシステムズであることが分かった(図2)。