第1回の記事で紹介した通り、グローバルレベルでの競争力が問われる供給過多社会においては、量より質で顧客にとっての価値訴求をする必要がある。

 第2回の記事「『感情面の訴求』を実践する、あの企業」では、自社商品やサービスを利用することによってもたらされる顧客経験価値(CX)を、感情面で訴求することに長けた企業や病院の事例を紹介した。

 第2回の記事で示した通り、CXの向上において重要なポイントは3つある。すなわち、(1)感情面の訴求、(2)価値共創、(3)フィードバックの受容、である。このうち今回は、(2)の価値共創について掘り下げていきたい。

 価値共創に長けた企業は、自社の商品やサービスを一方的に顧客に与えるような独りよがりの提供を避ける。企業の商品サービス開発や改善・拡大のフェーズに顧客を巻き込み、参加させることで、顧客にとってより価値の高い商品サービスの提供を実現させている。

 以降では、こうした取り組みを実践している企業や病院の事例を紹介していく。