連載主旨

家電業界に代表されるように、「良いモノさえ作れば売れる」時代は終焉を迎えた。近年成功しているグローバル企業の多くは顧客参加型の「顧客経験価値」戦略に長けている。

医療も同様に、「良い手術さえすれば患者が来る」時代ではなくなりつつある。欧米を中心に、顧客(患者)視点から経営を行い「患者経験価値」創造に取り組む病院が現れ始め、成功を収めている。

本連載では、顧客経験価値戦略で成功した企業事例や欧米病院での先進的な患者経験価値創造の取り組みを紹介することで、日本の医療現場における患者経験価値の可能性を模索する。

著者◇曽我 香織(そが かおり)
スーペリア 代表取締役
社会医療研究所 フェロー
PX研究会 代表

病院にコーチとして関わった経験から、病院のサービスと企業のサービスの大きなギャップに関心を持つ。患者に寄り添いマーケットインの医療サービスを提供する病院づくりを目的にPX研究会を設立。