クルマの基本動作を学ぶカーメカニズム基礎講座
目次
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エンジン単体のアイドリングストップ追求したマツダi-stop
アイドリングストップ機構(2)
エンジン単体でのアイドリングストップを突き詰めた機構がマツダの「i-stop」である。クランクシャフトをシリンダーの膨張行程で停止させることにより、俊敏な始動を可能としている。
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アイドリングストップのエンジン再始動方法は主に3通り
アイドリングストップ機構(1)
車両停止時や停止直前にエンジンの稼働を停止するアイドリングストップ機構。軽自動車を含めてほとんどの車種に搭載されるまでになった。エンジンの再始動には、主に3通りの実現方法がある。従来のスターターモーターを使う方式やスターター兼オルタネーター方式などを見ていく。
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スポーツカーが採用、エンジン/モーター独立の電動式4WD
4輪駆動システム(5)
スポーツカーを中心に、エンジン/モーター独立型の電動式4WDが普及の兆しを見せている。ホンダが近く発売予定のスポーツカー「NSX」は、ミッドシップにV型6気筒エンジンを縦置きにして、9速DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)にモーターを組み合わせ、前輪をモーターで駆動する電動式4WDである…
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モーター使う電動4WD、環境性能向上にも寄与
4輪駆動システム(4)
4輪駆動車は、操縦安定性や安全性を高められるのが特徴だ。最近では、ハイブリッド車(HEV)や電気自動車(EV)などの普及に伴い、モーターを使って4WDを実現する例も増えている。機械式に続いて、今回は電動式4WDを解説する。
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前後のトルク配分を自由に制御できる多板クラッチ式4WD
4輪駆動システム(3)
「多板クラッチ式」は、トランスファーで分配した駆動力を、多板クラッチの制御によって補助的な駆動軸に伝え、トルクを変化させるもの。多板クラッチの代表例が、電子制御式オイルポンプで作動する「ハルデックスカップリング」である。
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4WDセンターデフの主流は傘歯車や遊星歯車
4輪駆動システム(2)
機械式のフルタイム4WDは、センターデフの違いで4種類ある。「機械式」は、ギアの組み合わせにより前後輪に駆動力を配分する。機械式フルタイム4WDと言うと、通常はこの方式を指す。
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高速走行の安定性高める4WD、センターデフが回転差を吸収
4輪駆動システム(1)
現在、自動車メーカーが積極的に採用を進めているのが4輪駆動(4WD)システムである。目的は、滑りやすい路面や高速走行時の安定性を高めること。特に、差動装置としてデファレンシャルギアを設けて常時4輪で走行する、機械式の「フルタイム4WD」への期待は高い。
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BMWのハイブリッドは前輪モーター駆動、後輪エンジン駆動
トヨタ以外のハイブリッドシステム(3)
BMW社には、PHEVとして開発した「i8」がある。炭素繊維強化樹脂(CFRP)を多用したボディーとアルミ合金製シャーシーなど軽量化技術も目を見張るものがあるが、ハイブリッドシステムもユニークだ。
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ホンダのハイブリッド、車格に応じ3モーターまで使い分け
トヨタ以外のハイブリッドシステム(2)
ホンダは車格に応じてタイプの異なるハイブリットシステムを開発し、使い分けている。現在の1モーター式は、DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)とモーターを組み合わせ、エンジンとモーターの駆動力を切り離して使える。
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トヨタ以外のハイブリッド、モーターの使い方に各社の違い
トヨタ以外のハイブリッドシステム(1)
トヨタ自動車が1997年に2モーターの量産型ハイブリッド車(HEV)「プリウス」を発売して以来、各社は1モーターから3モーターまでのシステムを実用化している。モーターは1個で、駆動用もしくは発電機、両方に対応するものなど、各社の設計思想によって使い方が異なる。
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モーターの幅広いトルク特性が発進から軽負荷走行までカバー
トヨタハイブリッドシステム(2)
THSの制御系は、HEVのECUを頂点に電力を変換するインバーターやコンバーターなどで構成する。通常のエンジン車は、運転者の操作を受けてエンジンECUでエンジンの出力や回転数を調整するが、THSではまずHEVのECUが運転者の操作から加減速の必要量を判断し、エンジンとモーターそれぞれのECUへと出力…
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トヨタのハイブリッド、遊星歯車が駆動力を走行と発電に配分
トヨタハイブリッドシステム(1)
トヨタ自動車のハイブリッド車(HEV)の世界販売台数が700万台を超えた。走行状態に応じて、エンジンの駆動力を走行と発電に柔軟に振り分けできるのが特徴だ。その中核技術が“動力分割機構”と呼ぶ遊星歯車機構である。初代から現在の3代目「プリウス」までこの技術が使われている。
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車輪速や横方向の加速度などでECUが走行状態を判定
ESC:横滑り防止装置(2)
走行中のECUは、4輪の角度、ステアリングホイールの操舵角、車両のヨーレート、横方向の加速度を、各センサーで検知している。
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ブレーキを個別に制御、車両を安定させる横滑り防止装置
ESC:横滑り防止装置(1)
車両の横滑りを防止するESC(横滑り防止装置)。最近、車両の価値を高める手段としてESCが存在感を高めている。車両の横滑りを防ぐだけでなく、坂道発進支援や衝突被害軽減ブレーキなどにも使えるからだ。搭載が義務化され、ESCはクルマに欠かせない装置になっている。
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ターボのデメリットを解消する直噴エンジンとの併用
直噴ガソリンエンジン(2)
一般的な直噴ガソリンエンジンの噴射パターンは、インジェクターから、燃焼室全体に混合気が広がるように放射状に、燃料を噴射する。それに対し、最初に点火プラグの周囲に濃い混合気を留まらせることで、周囲の薄い混合気と成層燃焼を実現するのがスプレーガイド式である。
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熱効率高めて燃費性能向上させる直噴ガソリンエンジン
直噴ガソリンエンジン(1)
ガソリンエンジンの燃費を左右する重要な要素技術が、燃料の噴射方式である。従来のポート噴射(ポート噴射式インジェクション)に代わって増えているのが直噴(筒内直接噴射式インジェクション)。直噴は、燃焼室の中にインジェクターを配置するため、低燃費を実現しやすい。
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シンプルで故障の少ない自動MT、欧州で小型車に採用
DCT:デュアル・クラッチ・トランスミッション(3)
既存のMTのシフトとクラッチの操作をロボット化し、2ペダルの自動変速機(AMT)とするケースは、1970年代から幾度も試みられてきた。ATよりも伝達効率が良く、シンプルで故障も少ないというのはメリットだが、あらゆる走行条件で変速操作をスムーズに行なうのは難しい。
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DCTのメカニズム、主流は湿式のクラッチ
DCT:デュアル・クラッチ・トランスミッション(2)
DCTについてもギアや入力軸を組み合わせることで変速を実現する構造はMTと同じく、メーカーによる違いはほとんどない。変速機が横置きか縦置きであるか、クラッチが湿式か乾式か、クラッチの配列が同心であるかタンデム配置か、ということが構造上の違いになる。
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DCTとATを分ける変速のメカニズム
DCT:デュアル・クラッチ・トランスミッション(1)
エンジンの駆動力を負荷に応じて適切にタイヤに伝えるのが変速機だ。MT(手動変速機)から、AT(自動変速機)やCVT(無段変速機)などに進化してきた。最近増えているのが伝達効率の高いMTをベースに制御を自動化するDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)だ。
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マルチリンクには従来形式の発展型と専用設計型がある
マルチリンクサスペンション(2)
マルチリンクと一口に言っても、実際には自動車メーカーによって様々な構造がある。特許事情によるものもあるし、自動車メーカーによって最適と考えるサスペンションの仕様があるからだ。多くのサスペンションを見比べてみると、ダブルウイッシュボーンやセミトレーリングアーム、ストラットなど従来のサスペンション形式を…