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クルマの基本動作を学ぶカーメカニズム基礎講座

エンジン単体のアイドリングストップ追求したマツダi-stop

アイドリングストップ機構(2)

  • 高根 英幸=自動車ジャーナリスト
  • 2017/10/11 05:00
  • 1/2ページ

出典:日経Automotive、2015年11月号、pp.94-99(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

日経Automotiveのメカニズム基礎解説「第9回:アイドリングストップ機構 早く・静かにエンジン再始動、スターターモーターが進化」の転載記事となります。

 エンジン単体でのアイドリングストップを突き詰めた機構がマツダの「i-stop」である(図5、6)。クランクシャフトをシリンダーの膨張行程で停止させることにより、俊敏な始動を可能としている。

図5 マツダ「i-stop」によるエンジン停止および始動制御
アイドリングストップの条件が揃うと、燃料をカットしエンジンを停止させるが、その際にオルタネーターの発電抵抗を利用して上死点通過時の回転数を制御することで任意のクランク角範囲(膨張行程の上死点後30~120度)でエンジンを止める。またオルタネーターでブレーキをかける前にスロットルバルブを一度開き、燃焼室内の残留ガスを排出させる掃気を行う。始動時には燃料を噴射後、プラグを点火すると共にスターターモーターを回し瞬時にエンジンを目覚めさせる。
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図6 マツダi-stopの主要部品
アイドリングストップ中にAT(自動変速機)内部の油圧が低下するのを防ぐため、電動オイルポンプを組み込んでいる。図は第1世代のi-stopを搭載したエンジンであるため、i-stop用の予備電池を備える。現在は回生充電を利用し、アイドリングストップ専用電池を採用することで、予備電池を不要にしている。
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 エンジンを停止させる場合、イグニッションと共に燃料噴射も止め、エンジンは空気だけを吸い込み圧縮、排気する(図7)。再始動時には圧縮行程を終えた気筒に燃料を噴射し、プラグで点火してやることにより、エンジン自らが始動する力を得られるようにしたのがi-stopの基本原理である。

図7 マツダi-stopの燃料噴射と点火プラグ制御
膨張行程内の最適な角度で停止した状態のシリンダーから燃料噴射とプラグ点火を実施し、次の瞬間には圧縮行程シリンダーへ燃料噴射した後、最適なタイミングでプラグ点火する。その後、吸入行程にあったシリンダー、排気行程だったシリンダーも吸入圧縮行程へと進むことで燃料噴射、プラグ点火する。始動時には等間隔で燃料噴射とプラグ点火を実施していないことが分かる。
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 オルタネーターの発電抵抗を増やすことによりクランクシャフトの回転にブレーキをかけて、任意の位置でクランクシャフトの角度を止める。これにより圧縮上死点後30度から120度にある気筒に燃料を噴射し、点火装置で点火することにより、瞬時にエンジンの始動を可能にする。

 またi-stopでは始動性向上のため、燃料カット後のエンジン停止前に電子制御式スロットルバルブをECUが開くことで、燃焼室内の残留ガスをできる限り排出させるよう促している(図8)。しかも停止直前の共振によるフロアなどへの振動を防ぐため、エンジン停止直前には再びスロットルバルブを閉じるよう制御している。

図8 マツダi-stopのスロットルバルブ及び発電機制御
車体が停止し、アイドリングを停止させるとオルタネーターへのフィールド電流は一度カットされる。その後スロットルバルブを開閉して掃気を行い、再びオルタネーターにフィールド電流を供給して発電抵抗を発生させてブレーキとして作用させることで任意のクランク角の範囲内でエンジンを停止させる。
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 i-stopの場合、圧縮上死点により近い気筒を利用することで技術的にスターターモーターによる回転上昇は不要だが、実際には省燃費のため再始動時にはスターターモーターも併用している。当初はスターターモーター駆動の電力には専用の補助電池を用いていたが、電装品への電力供給には回生エネルギーをキャパシターへ溜め込んで行なう「i-ELOOP」を搭載したモデルも登場し、現在は補助電池を搭載する必要を無くしている。

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