東大生オリンピアン・プロジェクト――。東京大学でそんな呼び名がふさわしそうな、ワクワクする構想が動き始めている。

 目標は簡潔である。「2020年の東京オリンピックに東京大学の学生を選手として出場させること」だ。

 そのカギは、テクノロジーである。人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)、ビッグデータ、筋生理学、バイオメカニクス…。日本の頭脳とも言える東大の英知を選手のトレーニングに集結させ、これから3年の間に最先端テクノロジーの力で五輪アスリートを育て上げる。

 構想を打ち出したのは、東京大学が2016年5月に設立した「スポーツ先端科学研究拠点(UTSSI)」。東大の長い歴史の中で、最大規模の学内横断研究拠点となった。

 なぜ、東大がスポーツなのか。なぜ、日本を代表する研究者たちがスポーツに魅せられたのか。エレクトロニクスからIT(情報技術)、素材、都市工学まで、多様な分野の先端テクノロジーが集まるハブになったスポーツビジネスの今を探っていく。